百寿者

わが国の100歳以上のお年寄りである百寿者は、年々増加しています。1963年には全国で100歳以上の人は153人でしたが、2017年には6万7千人であり、400倍以上増えました。男女比は7対1で、女性が圧倒的に多くなっています。世界的には米国が最も多く、日本、中国、インド、イタリアが続いています。人口比では日本が圧倒的に多くなっています。
百寿者で認知症がない人は約3~4割です。4割は自分で自分のことができます。女性は認知症で介助が必要な人や、寝たきりの人が多くなっています。これは世界的な傾向であり、女性は骨粗しょう症や変形性関節症のように命には関わらないが、動きが悪くなる病気になりやすいことによります。男性は心筋梗塞や脳梗塞のような致命的な病気になりやすいです。百寿者に一番多い病気は高血圧で、次が骨折です。糖尿病はそれほど多くはありません。動脈硬化は90歳では8割以上にみられますが、百寿者は80代と同じくらいで約6割です。
炎症反応が高い人は早く亡くなり、低いと長生きします。特に慢性炎症は動脈硬化や糖尿病などの病気を引き起こします。年をとるにつれ炎症反応が強くなり、炎症反応が老化そのものを引き起こしている可能性があります。炎症の抑制で老化も制御できる可能性があります。

(2018年3月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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