百日せきの患者急増

 激しいせきが特徴で、症状が2~3カ月続く百日せきの患者が増えています。国立健康危機管理研究機構によれば、今年の患者数は3月30日までで4771人に達しています。4,054人だった昨年1年間の患者数をすでに上回っています。患者数は2018年、2019年はそれぞれ1万人超が報告されていました。2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降は、感染対策や人流が減ったこともあってか、少ない状態が続いていましたが、コロナ以前の水準に戻りつつあります。

 百日せきは、百日せき菌が引き起こす感染症です。くしゃみやせきのしぶきなどを通して感染します。はじめは軽いかぜのようですが、1~2週間するとせきがひどくなります。短く激しいせきが連続的に続く症状が2~3週間続き、その後2~3週間で次第に回復します。予防にはワクチンが有効で定期接種化されており、生後2カ月から1歳半までの間に計4回の接種が勧められています。

 免疫がない生後数カ月の赤ちゃんは重症化しやすく、脳症や肺炎になることがあります。赤ちゃんの場合、激しいせきをしないこともあり、息を止めるような無呼吸発作や、痙攣、呼吸停止などを起こし、亡くなる恐れもあります。治療にはマクロライド系の抗菌薬が使われます。せきが激しくなる前にのめば、症状は改善します。手洗いやマスクの着用、せきエチケットなどの対策が大切です。

(2025年4月9日 読売新聞、朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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