監視下の変異株の新設

国立感染症研究所は、新型コロナウイルスの変異株について新たな分類を導入しています。これまでの懸念される変異株(VOC)と注目すべき変異株(VOI)の下に、監視下の変異株(VUM)を新設しました。デルタ株から派生したデルタプラスとも呼ばれるAY・4・2などを、VUMとして指定しています。AY・4・2は、デルタ株にさらに変異が加わったもので、ワクチンが効きにくくなる可能性は低いとみられていますが、感染力の変化などは十分に分かっていません。
変異株の分類は、世界保健機関(WHO)の定義を準用する形で運用してきました。VUMはWHOが9月に新設し、各国にさらなる監視や研究の強化を求めています。VUMの対象は、ウイルスの感染力などへの影響が疑われる遺伝子の変異がありますが、疫学的な影響が不明で監視強化が必要なものです。
感染研は国内の流行状況を加味して、WHOから独立して変異株を指定しています。10月28日時点で、VOCは南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株、第5波で流行の中心となったインド由来のデルタ株の3種類です。VOIはありません。VUMは、第4波の中心だったアルファ株のほか、南米で広がったラムダ株やミュー株など5種類を指定しています。

(2021年11月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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