神戸の不妊クリニックが、受精卵の全ての染色体異常を調べ、正常な受精卵を選んで出産を試みる着床前スクリ-ニング(受精卵検査)を559組の夫婦に行った結果、流産率は約10%だったことを明らかにしました。着床前スクリ-ニングは医学的な根拠が明確でないこともあって、日本産科婦人科学会は近く前方視的な臨床研究を実施することにしています。
今回の発表は科学的エビデンスのレベルが低く、この結果をもってPGSが流産防止に有効であるとは全く言えません。研究は後方視的なものであり、同時に対照群がありません。こうした研究は学術論文として認められません。
(吉村 やすのり)