着床前遺伝子スクリ-ニング(PGS)の臨床研究開始

  日本産科婦人科学会は、28日受精卵の染色体の異常を幅広く調べて、正常なものだけを  子宮に戻す着床前スクリ-ニングの臨床研究をすることを理事会で正式に承認しました。今後、実施施設などを決め、早ければ年内にも研究を始める方針です。計画では、体外受精を3回以上失敗した人や、原因不明の流産を2回以上繰り返した人を計600人集め、着床前スクリ-ニングを行うグル-プと行わないグル-プの二つに分け、流産や妊娠、出産の成績に差が出るかどうかを調べることにしています。
 女性の年齢が上がると染色体の異常が増え、不妊や流産の原因となります。臨床研究では、体外受精でできた受精卵の一部を分析し、染色体の数に異常があった場合は、流産防止のため子宮に戻しません。研究機関は3年間で、1年ごとに中間評価を行います。着床前スクリニ-ングで生まれた子どもについては、就学するまで健康状態などを追跡調査することにしています。この研究を通して、PGSが流産防止に有用かどうかの医学的判断を下すことを目的としています。倫理的諸問題については、医学的判断を受けての更なる検証が必要となります。

(2015年3月1日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)

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