睡眠教育の必要性

子どもの睡眠は、体と脳と心の発達に大きな影響を与えます。日本人は、大人も子どもも睡眠時間が欧州より1時間以上短く、学校で睡眠の大切さを伝える睡眠教育は大きな意義があります。子どもの体内時計は敏感で、大人以上に光の影響を受けます。中高生が夜遅くまで塾やコンビニの光を浴び、帰宅してスマホ画面を見るようでは、質の良い睡眠も取れません。睡眠は量も質も大切です。
小中学校では、睡眠の大切さを教える睡眠教育(眠育)が盛んになってきています。睡眠は成長ホルモンの分泌に深く関係しており、寝る前にスマホ画面を見ると睡眠の質が下がります。休日の朝寝坊は、時差ボケになりがちなので、毎日同じ時間に起きた方が良いことなどを教育します。昼間に5分でもいいから仮眠を取るのも効果的です。
眠育を実施している学校では、生活の質を表す数値が上がったり、ネット依存傾向が改善されたりするなどの成果がみられています。深い眠りは午後9時~午前4時に出やすく、午前1時~7時より午後11時~午前5時の方が質の良高い睡眠を取れます。休日に寝不足を解消するなら、寝坊より早寝が良く、子どもの睡眠を変えるには夜型社会を変えねばなりません。

(2022年10月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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