乳がんの早期発見
乳がんは罹患率こそ1位ですが、死亡率は5位になります。しこりの大きさが2㎝以下でリンパ節転移のないステージⅠ期なら、5年生存率は100%、10年生存率は96.1%です。しこりが2㎝以上でリンパ節転移のあるⅡ期でも、5年生存率は96%、10年生存率は86.3%と報告されています。ただし、遠隔転移を起こしたⅣ期ともなると、10年生存率は15.9%と予後不良となります。発見や治療が遅れると、当然のことながら生存率もグンと低下してしまいます。
重要なのは、早期発見と早期治療です。乳がん検診受診率は以前より上がっていますが、それでも4~5割程度で、欧米の8~9割にはまだまだ及ばない状況です。少なくとも2年に1回、乳がんになった肉親がいるなどリスクのある人は、毎年検診を受けることをお薦めします。乳がん検診の基本は、X線で乳房を撮影するマンモグラフィ検査です。特に若い年代に多いマンモグラフィ検査で乳腺の密度が高いデンスブレストの人は、結果判定が困難になりますので、さらに超音波検査も受けておくと安心です。
(BRB Medical Salon Letterzine vol.6)
(吉村 やすのり)