文部科学省は、大学が研究費を獲得するための支援や共同研究の橋渡しなどの業務を担う専門人材の育成事業を始めます。主に研究者が行ってきた業務の負担を減らし、研究に専念できる環境を作ることで研究力の底上げにつなげます。
研究者を支える人材には、ユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーター(URA)と呼ばれる専門職があり、外部の研究費を申請する際に必要な書類作成の支援や、共同研究する企業との契約交渉などを担っています。米国など海外の大学では、大勢が配置され最先端の研究を下支えしています。日本は、こうした業務の多くを研究者自身で行うことが多く、URAなどの専門職を配置する大学を含めた研究機関は全体の約4割に過ぎません。
研究機関がURAなどを新規に雇用した場合、1機関あたり最大3人分の人件費を5年間補助し、研修費も負担事業を始めます。専門職の配置実績があり、研究研修の受け入れ先となる大学の経費なども補助します。今年度予算に関連費6億円を計上し、研究者を支える人材の育成・拡充を進めます。

(2025年4月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)