2025年には、戦後間もない1940年代後半にたくさん生まれ、団塊世代と呼ばれる人が75歳以上になり、人口の5人に1人にあたる約2,180万人が75歳以上となります。75歳以上になると、介護や医療のニーズが格段に高まります。このため、2025年度の社会保障費は約149兆円と、2015年度より2割強の伸びが見込まれています。
介護の自己負担割合は原則1割ですが、すでに収入が一定以上ある人は2割になっています。特に収入の高い人は2018年8月からは、さらに3割に引き上げられます。介護保険料を負担する年齢を現在の40歳から引き下げることも考えなければなりません。医療分野においても見直しが必要になります。終末期医療も含め、高齢者への治療のあり方を見直すことが必要です。教育無償化は大切ですが、消費増税分の使途変更で財政健全化に回す財源が減れば、結局、将来世代にツケが回ってしまいます。増税をしないというなら、社会保障を支える財源の代替案を具体的に丁寧に説明すべきです。消費増税は避けて通れません。
(2017年10月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)