社会保障費の高騰

 高齢化は今後、さらに進みます65歳以上が総人口に占める割合(高齢化率)は、2013年の約25%が25年後には3割を超えます。2025年度は団塊の世代が全員75歳以上になり、社会保障費の総額は約150兆円と、2013年度の約1.3倍にまで膨れあがると見込まれています。介護などの保険料は上がっていますが、働く世代が減っているため、総額はあまり増えていません。急激な高齢化で増大する社会保障費の伸びに追いつかず、財源の不足分を借金に頼る不安定な状況は続きそうです。
 消費増税の再延期は、社会保障費を借金に頼る状況を少しでも改善させるための財源を失うことになります。消費増税による増収分で予定していた社会保障の充実策も実現の見通しが立たなくなってしまいます。今後は保険料を引き上げ、社会保障費を抑制しなければ、将来の世代にツケを回すことになってしまいます。消費増税は少子高齢化社会にとって絶対に必要です。

(2016年6月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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