親がいない子、親が病気や貧困で育てられない子だけでなく、親から虐待を受けて引き離された子どもが増えています。こうした子どもは、国や自治体が保護し、18歳になるまで親の代わりに育てることになっており、社会的養護と呼びます。日本には約3万6,000人もいます。保護された子どもたちは施設と家庭に大別されます。施設には、主に0歳の乳児のための乳児院と、主に1~18歳の児童のための児童養護施設があります。保育士などの資格を持つ職員がいて、子どもたちの世話をしています。乳児院では約2,800人、児童養護施設では約2万6,500人が生活しています。
一方、家庭には、里親とファミリーホームがあります。里親には、自治体の研修を受けた人がなり、一定期間、一緒に生活をします。ファミリーホームは、6人まで養育できます。里親とファミリーホームで、計約6,500人の子どもが暮らしています。養親と戸籍上も親子になる特別養子縁組を結ぶケースも、年間500件前後あります。日本も一昨年、児童福祉法を改正し、社会的養護は里親など家庭での養育を原則にしています。
(2018年2月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)