社外役員と女性役員の登用の必要性

金融庁と東京証券取引所は、プライム市場に上場する企業は、取締役会の3分の1以上を社外人材とするよう求めています。わが国では、2015年に企業統治指針を導入してから社外取締役の登用は進み、東証1部企業の6割が、すでに取締役会の3分の1以上を社外人材で構成しています。
数の確保後は質も課題になります。新指針では、法律やITなど、取締役が持つスキルを一覧表などで公表するよう促し、知識や経験が偏らないようにしています。社長の選解任機能を果たす指名委員会の実効性も要となっています。取締役会の多様性の追求には、女性の登用も必要です。

 

(2021年3月10日 日本経済新聞)

企業の役員に占める女性の割合を2030年までに30%以上にする目標を経団連が掲げる一方、女性役員は社外からの起用に偏り、有識者の兼任も目立つ現状があります。女性の取締役の経歴も、1,123人中最多が弁護士など、続いて大学教授など、会計士・税理士と偏る傾向があります。企業統治の観点から社外取締役は一定数必要ですが、同時に社内も含めて多様性のある役員が一定数いる方が、経営判断の質は向上します。

(2021年3月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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