福島県民の放射性物質の不安

事故後、福島県民を対象に定期的に実施している世論調査によれば、放射性物質への不安を感じているは、徐々に減っていきました。2012年3月の調査では78%、事故5年後の2016年は68%、主な除染作業が完了した翌年の2019年は60%、2020年は56%です。それでも半数を下回ることはなく、2021年2月の調査では64%でした。少し増えています。
避難指示が解除されても戻ってくる住民は一部に限られ、廃炉作業も大幅に遅れています。そんな中で、復興の道筋など描きようがないのかもれしません。2021年の調査で、予定通りの廃炉作業が期待できるは19%にとどまっています。これから先、国民の間で福島第一原発の事故の被災者への関心が薄れていく不安を、どの程度感じますかと聞くと、大いに、ある程度感じるが合わせて79%と答えています。10年を経てなお、事故は終わっていないとの福島県民の思いが表れています。

(2021年3月5日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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