私大の経営難

 日本私立学校振興・共済事業団の調査によれば、私立大・短大を運営する全国660法人のうち112法人は、経営困難な状態にあることが分かりました。このうち21法人は経営を改善しないと、2019年度末までに破綻する恐れがあるとしています。2018年以降は18歳人口が再び減少局面に入り、経営環境の一層の悪化が懸念されます。2019年度末までに破綻の恐れがあるレッドゾーンは、21法人3.2%、2020年度以降に破綻の恐れがあるイエローゾンは91法人13.8%、経営悪化の兆候が見られるイエローゾン予備軍が175法人26.5%です。
 18歳人口は、205万人だった1992年を境に減少し、2009年以降は120万人前後で横ばい状態が続いていました。しかし、2018年からは再び減少局面に入り、2032年には100万人を割り込むと予測されます。大学関係者の間では2018年問題と呼ばれ、経営への影響が心配されています。1992年に約380校だった私立大は規制緩和で新規参入が容易になり、2016年には約600校に増えました。これに伴い定員割れも増え、2017年度は私立大の39.4%、短大の67.1%に達しています。

 

(2017年12月31日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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