私立大学の医学部で、学費を値上げする動きが出てきています。コロナ禍による大学病院の経営悪化の影響などが指摘されています。学費の変更は文部科学省への届け出が必要ですが、各大学の判断で決められます。私立大学の医学部の6年間の総額は、約1,900万~約4,700万円と幅があります。国立大学医学部は標準的な額で約350万円です。
数年前までは値下げの動きが目立っていましたが、その流れがここに来て変わろうとしています。背景として教育設備に費用がかかることに加え、コロナ禍で大学病院の経営が苦しくなっていることが考えられます。全国医学部長病院長会議の調査では、国公立大学と私立大学の全国133の大学病院で、4月、5月に計313億円の赤字が出ています。病院の経営悪化は運営する大学にも影響を与えています。
(2020年9月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)