私学助成金は、教育や研究の維持向上などのために国が交付する補助金で、主に学生数や教職員数といった規模に応じて配分されてきました。私立大学の競争力向上に向けて、文部科学省の有識者会議による議論が始まっています。研究力が優れている私立大、地域貢献度や教育力の高い私立大に私学助成金を手厚く配分する方策を議論する予定です。総額で年約3,000億円の助成金を巡る競争を促し、質の高い大学の生き残りにつなげます。
私学助成金は、国立大に対する運営費交付金(総額で年1兆円程度)とは差があります。2023年度実績でみると助成金の配分は交付金額の上位20校で全体の約3割、上位100校で6割超を占めており、大規模校への偏重が目立っています。見直し検討の背景には、世界で競える私立大を増やしたいとの狙いもあります。

(2025年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)