私立短大の閉校の増加

 日本私立短期大学協会の集計によれば、少なくとも45校の私立短期大学が、2025~2027年度に学生募集を停止します。私立短大全282校の16%に上ります。ピーク時の1993年度には、国公私立計595校に学生53万人が在籍していました。しかし、1990年代以降、女性の大学・共学校志向の高まりを受けて、大学に移行する短大が急増しました。2024年度は297校に半減し、学生数は8万人まで減少しました。

 定員に対する入学者数の割合を示す入学定員充足率も、90%程度だった平均値が2024年度は70%に減少しました。文部科学省によれば、私立短大の約7割の収支が赤字傾向にあり、18歳人口が直近20年で35万人減った少子化や、2020年度の給付型奨学金の導入など低所得世帯の支援が拡充された影響とみられます。

 少子化による学生減で財政状況が悪化し、基準以上に定員割れが続く短大が、国の修学支援制度から外される措置により、募集停止を決めた学校が増えています。このままでは、地域や地方を支える保育や社会福祉などの専門的職業人材の輩出が難しくなります。

(2025年4月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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