文部科学省の科学技術・学術政策研究所の報告書によれば、科学論文の執筆にあたって中国を頼りにしている国・地域の数は81と日本の約5倍であり、約10年で2倍に増えています。主要国の国際共著論文数は、2021~2023年の平均値で米国が約18万6,000本、中国が約14万3,000本です。英国は約9万6,000本、ドイツは約7万7,000本で、日本は約3万3,000本でした。
2021~2023年に中国が共著論文数トップ10に入ったのは81カ国・地域で、2011~2013年の42カ国・地域から約2倍に増えています。米国が共著論文数トップ10に入ったのは98カ国・地域で、調査対象のほぼ全ての国で上位10以内に入っていて、国際協力の要となっています。日本が上位10以内の国際共著相手となっている国・地域は、2021~2023年が15カ国・地域と、2011~2013年の22カ国・地域から減少しています。
引用されている数が上位10%に入る注目論文の数の国別ランキングは、中国が1位、米国が2位でした。日本は13位と韓国やイランを下回っています。注目論文数で中国が1位となる背景には、自国内で互いに論文を引用しているためだと指摘されています。

(2025年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)