科学五輪代表のジェンダーギャップ

国際科学オリンピックは、数学、化学、生物、物理、地理、情報、地学の各科目ごとに大会があります。日本代表として、高校生31人(7科目計)が出場します。2013~2022年度に開かれた各大会の日本代表メンバーは計302人で、うち女子は16人に過ぎません。今年は1人が地学に出場します。16人を科目別にみると、地理と生物が最多の5人で、地学が3人、化学が2人、数学が1人です。物理と情報はいません。
日本代表に女子が少ない背景には、日本でそもそも理系を選択する女子が少なく、国内予選に挑戦する女子の割合が低いことがあります。特に少ないのは数学と物理、情報で、昨年度の予選参加者のうち、女子はいずれも2割弱にとどまっています。化学も3割程度です。生物は5割を超えており、科目ごとに偏りがあるのが現状です。
理系科目は男子の方が得意との固定観念を子どもに植え付ける言動を、無意識のうちにしている可能性があります。学力トップ層でこれほど男女比が偏るということは、学校が女子生徒にとって、理系科目への関心を高めにくい環境になっていることの表れです。

(2022年7月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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