技術革新の源泉となる科学研究論文で、コンピューター科学・数学や科学など4分野で中国がトップに立ったことが明らかになりました。文部科学省所管の科学技術振興機構の調査によれば、主要8分野を米国と分け合った形で、米中2強の時代に突入しました。研究費拡充や人材獲得策などが功を奏しています。
中国は2分野のほか材料科学と工学、米国は物理学、環境・地球科学、基礎生命科学、臨床医学で首位でした。日本は5~6位と低迷しています。急成長の背景には、潤沢な資金と人材獲得戦略があります。研究費は2000年ごろは5兆円前後でしたが、2014年には38兆円と急拡大しています。18兆~19兆円前後で推移する日本の2倍で、米国の46兆円に迫っています。先進国で学んだ中国人研究者を呼び戻しています。
(2017年6月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)