移民政策の転換

 OECDによれば、2023年の総人口に占める移民の割合は、日本は2.5%、フランスは13.8%、英国は15.2%、ドイツは18.2%です。2040年頃には、日本で10%を超えることも想定しなければなりません。OECDは学歴や就業形態、健康状態などの指標から、各国の移民の状況をまとめています。政府の外国人受け入れ政策が、大きく変わろうとしています。

 わが国においても、地区町村によっては移民が10%を超える地域も増えてきています。大きな摩擦や分断を避けつつ、外国人と共生を図ることが大切となります。日本語の習得や就学の機会を保障し、職業訓練などで就労の基盤を整え、地域への参加を促すといった施策で調和を図るとする社会統合の考え方を取り入れることが必要となります。

 社会統合(social integration)とは、受け入れ国と移民が、お互いの努力で適応を図ることです。一方的に同化を迫るのではなく、受け入れ国は差別や障壁のない環境を作り、外国人は受け入れ国の言語やルールを学ぶことが必要となります。社会統合が成功すれば、長期的には社会のキャパシティーが大きくなり、受け入れ可能な人数が伸びていくこともあり得ます。

(2025年8月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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