ー 分娩中、妊婦さんに家族など身近な人が付き添うお産のスタイルを立ち合い出産といいます。立ち会い出産は今から20年~30年前、ラマ-ズ法が導入されたと同時期に欧米から入ってきて、徐々に日本に根付きました。付き添い人はバ-スパ-トナ-と呼ばれ、お産の苦労や感動をともに分かち合います。米国などでは助産師が寄り添う習慣がないため、産婦さんが孤独に陥りやすいことや分娩が密室での処置にならないよう見守る意味合いもあり、立ち会い出産が一般化しています。
厚生労働省が2011年に行った調査によると、日本では経腟分娩の約6割が夫の立ち会い出産で、5年前の調査に比べ約2割増えています。夫の立ち会いには、妻へのいたわりや愛情が増加する出産の喜びや感動が共有できて、夫婦の連帯感が強まる、早期から父親の自覚が芽生えて育児の協力意識が高まるなどのメリットがあるといわれています。
(毎日新聞 2015Anetis秋より)
(吉村 やすのり)