第2子の壁

 出産した母親の心身ケアの重要性が高まる中、第2子以降を産んだ母親を支える取り組みが課題となっています。心身ケアや育児相談ができる産後ケアでは、上の子がいることで母親の支援が受けづらい状況があります。誰もが安心して子育てできる環境作りが急務です。

 子育て世帯が安心して第2子を産もうと思える環境づくりが必要となります。日本財団によれば、理想とする子どもの数は2人が58.1%で最も多くなっています。公益財団法人の1more Baby応援団の2024年調査では、第2子をためらう2人目の壁を感じる既婚者が78.9%で過去最高となっています。

 野村総合研究所の調査によれば、77%の自治体では宿泊型やデイサービス型の施設で、きょうだい同伴ができません。父親も主体的に子育てをすることがまず必要ですが、それでも手が足りないことがあります。その場合、第2子以降ほど支援を受けにくい現状があります。全ての施設できょうだい同伴を実現するのは難しいと思われます。母親が自分に合ったケアを選べるようにすることが大切です。誰でも安心して利用できる仕組みを整える必要があります。

 子が複数いる場合は、自分やパートナーだけでは背負いきれない場面も増えます。自治体によっては子育て支援のため、家事支援などを受けられるサービスを用意するところもあります。妊娠中から自分が使える自治体のサービスなどを調べ、パートナーと事前に産後の計画を立てることが大切となります。

(2025年11月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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