同性婚の権利は、2015年の連邦最高裁判決で認められ、現在は米国民の多くの賛同も得ています。このたび、同性婚の権利を保障する法案にバイデン大統領が署名し、成立しました。今回の立法が進められた背景には、最高裁に保守派の判事が増えたことに伴い、従来の判断が覆されることへの懸念があります。
2000年以降同性婚を認める動きが始まり、2004年にマサチューセッツ州が初めて容認しました。若い世代を中心に同性婚への支持は急速に拡大していき、世論調査でも、2011年に支持と反対が逆転しました。2019年には支持が61%、反対が31%となり、2014年とほぼ逆の傾向を示しました。
米国で同性婚に反対を明言する政治家が減ったことも大きいとされています。慎重な立場をとってきた共和党でも、現在は同性婚の権利を認めつつ、宗教的な信念に基づいて積極的に関与しない権利もある、といった立場をとる人が多くなっています。
(2022年12月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)