米国留学の減少

 米国の大学や大学院に留学する日本人が減り続けています。米国の調査によれば、昨年度は約19千人となり、12年連続で減少しています。留学生が急増している中国やインドに比べ、差は広がる一方です。米国の国際教育研究所によれば、1994年~97年度には米国の大学・大学院に在籍する日本人留学生は、国別で1位でした。その後、2000年代になり、中国とインドからの留学生が急増しました。2016年度には両国が合わせて留学生の半数を占めています。日本人は全体の1.7%で、国別で8位に落ち込んでいました。
 留学生の減少は、米国の大学・大学院における日本の存在感低下にもつながっています。米国で日本人留学生が減ることは、日本への理解が弱まることにつながります。一方で、短期留学や交換留学は増加し、学生が国際的な経験を積む裾野は広がっています。しかし、短期留学は海外を知るきっかけにはなりますが、グローバルに活躍する人材を育てるには、学位取得を伴う長期留学を増やす必要があります。1990年代には、私たちの同級生の4割以上が米国へ留学していました。期間は2~3年がほとんどでした。現代の若者の内向き志向が大いに関係しています。

(2017年12月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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