精神障害による労災認定の増加

パワハラを含め、仕事で受けたストレスによってうつ病などの心の病を患い、労災申請する人は、近年増加の一途を辿っています。厚生労働省の調査によれば、2018年度の申請者は、1,820人で、6年連続で過去最多を更新しました。一方で、実際に労災と認められた人の割合は2~3割にとどまっており、2018年度に認定されたのは465人です。このうち自殺や自殺未遂をした人は76人でした。
ハラスメントに対する世論が厳しさを増す中、政府もハラスメント対策に取り組み始めています。今年5月には、企業にパワハラの防止策を義務付ける改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が成立しました。大企業には2020年6月、中小企業は2022年4月に適用される見通しです。今年6月には国際労働機関(ILO)が、仕事上の暴力やハラスメントを禁じる初の国際基準となる条約を採択しています。

(2019年11月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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