近年、精神障害にて労災請求をする人、さらに認定される人が増えています。2022年版の過労死等防止対策白書によれば、テレワークの頻度が多い人ほど睡眠時間が長く、うつ傾向や不安が少ないという調査結果が出ています。
睡眠を1日平均7時間以上取っている割合は、テレワークの頻度が毎日の人が30.3%と最も多く、週2~3日程度の19.4%、一時的に行ったの16.7%などを大きく上回っています。うつ傾向や不安がない割合も、テレワークが毎日の人が60.9%で、週2~3日程度の56.5%、一時的に行ったの51.2%などより多くなっています。
テレワークの導入状況が最も高かったのは情報通信業の82.4%で、次いで学術研究、専門・技術サービス業の62.7%です。一方、最も低かったのは医療、福祉の9.4%で、次いで宿泊業、飲食サービス業の12.3%でした。
男性の労災認定では、月100時間程度の恒常的な長時間労働が32.1%を占め、最多でした。その他仕事の大きな変化を生じさせる出来事があったが24.8%で最も多く、次いで嫌がらせ、いじめ、暴行を受けたが17.4%でした。
一方女性は、長時間労働は12.2%と男性に比較して少なく、悲惨な事故や災害の体験、目撃をしたが22.0%と最も多くみられています。セクシュアルハラスメントを受けたが21.9%でした。
(2022年11月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)