糖化とは

 糖化とは、糖とたんぱく質が結びついて熱が加わった時に起きる現象です。人の体内では、食事で過剰摂取した糖質が血中で余り、体の組織や細胞を構成するたんぱく質に結合します。これが体温で温められ、糖化が起こります。人間の体内に限らず、食品の調理でも起きます。小麦粉や砂糖とたんぱく質である卵や牛乳を混ぜてフライパンで焼くと、表面がこんがりキツネ色になります。これも糖化の一例です。
 高血糖状態が長く続くほど糖化は進みます。やがて体内のたんぱく質は、糖まみれになって劣化し、AGEという終末糖化産物という悪玉物質に変わります。体内の様々な組織にAGEが長い間蓄積すると、老化を早め、体内機能を低下させることで、様々な病気を引き起こします。肌のコラーゲンが糖化しAGEが増えると、茶色いシミやシワ、たるみの原因になります。血管のコラーゲンが糖化すると骨粗しょう症に、目の水晶体にあるクリスタリンが糖化すると白内障になるリスクが高まります。
 AGEの蓄積を予防するためには、サラダや野菜料理を食事の最初に取るのを習慣づけることです。野菜や海藻、キノコなどに含まれる食物繊維は、糖質の吸収をゆるやかにする働きがあります。AGEは生野菜や刺身など生のものに少なく、とんかつやから揚げなど油で高温調理した動物性脂肪食品に特に多く含まれています。加熱温度が高いほど多く発生するので、調理法としては、生、蒸す・ゆでる、煮るがおすすめです。

(2017年10月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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