糖尿病の予備軍

 厚生労働省による2016年の国民健康栄養調査の結果が発表されました。ヘモグロビンA1c6.5%以上で糖尿病が強く疑われる有病者は、2012年の前回調査より50万人増えて1千万人に上っています。男性の16.3%、女性の9.3%を占め、男女とも高齢になるほど割合が高い傾向がみられます。一方、ヘモグロビンA1c6.0%以上6.5%未満で、糖尿病の可能性が否定できない予備軍は、1千万人であり、前回より100万人減っています。2008年より始まった特定健康診査(メタボ健診)などによる予防効果が出ていると思われます。
 高齢になってインスリンの分泌も少なくなることなどから、予備軍の症状が悪化し、有病者が増えたと考えられます。高齢化が進み、今後も患者数の増加が予想されます。糖尿病は放置すると、網膜症や腎症などの合併症のほか、脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなります。しかし、今回の調査では、有病者のうち23.4%は、治療を受けていませんでした。糖尿病を予防するには、不必要な間食をしない、野菜を多くとるなどバランス良い食事を心がけ、体を動かすことが重要です。

(2017年9月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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