紙雑誌の国内販売の減少

 公益社団法人の全国出版協会・出版科学研究所によれば、2024年の紙の雑誌の国内推定販売額は4,119億円で前年から6.8%減少しています。5年前と比べると26.9%の減少です。ピーク時の1990年代半ばは1兆5,000億円程度の販売規模があったとされており、市場は30年で3分の1以下に縮小したことになります。

 インターネットとスマートフォンで最新情報が無料で手に入るようになっています。SNSや動画サイトの利用時間が増え、全世代で活字を読む機会が減少しています。紙などの原材料費の上昇も大きく影響しています。専門情報誌の抵抗力にも限界が見え始めています。固定読者の高齢化が影響しており、1980~1990年代からのファンがシニア層になり、広告媒体としての価値が低下しました。

 ウェブ媒体として生き残りを目指す試みの成否も、読者の若返りがカギを握っています。紙からウェブへ移行できないシニア読者が少なくない一方で、紙媒体を敬遠していたデジタルネイティブの若年層を、専門情報誌ならではの濃密な情報で掘り起こすことができれば再生の道が見えてくるかもしれません。

(2025年12月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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