アジア出身を中心に外国人が、結核の症状に気づかないまま来日し、発病が確認されるケースが相次いでいます。最近の5年間で、在留外国人の患者数は1.4倍に増加しています。2020年東京五輪・パラリンピック開催を控え、政府は国内外の人が大勢集まる会場周辺が集団感染の発生源となるリスクを抑えるため、来年にも患者数が多いアジア6カ国から来日する長期滞在予定の外国人に、入国前検査を義務づける方針です。
厚生労働省などによると、平成29年の外国出身者の新規結核患者は1,530人で、平成24年の1,069人から1.4倍となっています。国別ではフィリピン321人、中国258人、ベトナム257人、ネパール164人、インドネシア121人、ミャンマー80人と6カ国で全体の約8割を占めています。
外国人に結核の症状があれば入国を拒否できますが、結核の初期症状は風邪と似ており、全ての患者を把握することは困難です。そのため、患者数の多いフィリピンや中国などアジア6カ国からの3カ月以上の長期滞在予定者に対し、入国前の結核検査を義務づけることにしています。
(2019年8月6日 産経新聞)
(吉村 やすのり)