国立成育医療研究センタ-の調査によれば、胎児の染色体疾患の有無を調べる羊水検査が2013年に約2万600件(前年比3%増)実施され、過去最多となったことが明らかになりました。染色体疾患がある確率を算出する母体血清マ-カ-検査も約2万6400件(同9.5%増)で最多となっています。胎児の疾患の可能性が高まるとされる高齢妊娠を背景に、出生前診断への関心が高まっています。
妊婦から採血するだけで結果が出るものとして、①染色体疾患の確立を算出する母体血清マ-カ-検査②ダウン症と18トリソミ-、13トリソミ-の3種類の染色来疾患を対象に新型出生前遺伝学的検査として2013年に導入された母体血胎児染色体検査があります。いずれもスクリ-ニウング検査との位置付けで、陽性の確定診断には羊水検査が必要となります。羊水検査は1998年~2002年にかけ1万件前後で推移していましたが、徐々に増加して2012年には約2万件となり、13年はさらに約600件増えています。母体血清マ-カ-検査は98年に2万1708件実施されたが、2001年には1万5308件まで減少しました。その後、増加傾向に転じ、2013年は前年より約2300件増の約2万6400件でした。
(2015年6月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)