美容整形市場が拡大しています。矢野経済研究所の調査によれば、国内の美容医療の市場規模(医療施設の収入高ベース)は、2017年は2011年に比べ約25%増の約3,200億円となっています。日本美容外科学会の調査では、2018年に国内医療機関で実施された美容医療の施術件数は、約170万件に上っています。2017年のデータに基づく国際比較をみると、日本はメスを使わない非外科的手術が8割に対し、海外は6割程度です。施術部位も日本は顔が9割ですが、海外は胸など体が6割で、顔は4割です。
ブームの陰で、美容整形を巡る料金や後遺症のトラブルは多くなっています。全国の消費生活センターへの相談は、年間約2千件で推移しています。身体に危害が及んだとする相談は、2018年度に約420件と2009年度の1.4倍になっています。
(2020年2月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)