習慣流産における着床前診断の意義

 夫婦のどちらかに、染色体の一部が入れ替わる、いわゆる転座を持つカップルは、何度も流産を繰り返す習慣流産になることが多いとされています。こうした89組のカップルにおいて、着床前診断の出産率や流産率に及ぼす影響が検討されています。このうち37組が着床前診断を希望し、52組は自然妊娠を希望しました。その結果、着床前診断をした場合、流産の頻度は減少しましたが、二つの群の出産率に差異は認められなかったとの報告がされました。これらのことより、転座保有者のカップルにおける着床前診断は、必ずしも有効とはいえないことが示されました。

(2015年6月18日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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