筑波大学の関谷元博准教授らの研究チームは、老化の進行状況を把握するセンサーとなる物質を発見しました。体の代謝に関わるたんぱく質であるCtBP2の血中濃度が、老化や健康状態を探る指標になり得るとしています。

研究チームは、CtBP2が活性化するとエクソソームと呼ばれる微粒子に包まれて細胞外に分泌され、全身の代謝を改善する働きがあることを突き止めました。マウスによる実験で、CtBP2を含むエクソソームとそうでないものとを投与したところ、CtBP2を含むエクソソームを投与されたマウスの寿命が延びたほか、筋力や持久力も高くなりました。
いわゆる長寿家系では、CtBP2の血中濃度が高い傾向にありました。一方、糖尿病患者のうち、心臓や腎臓で合併症が起きている患者は、CtBP2の血中濃度が低値でした。個人差はありますが、CtBP2が長寿や健康状態の指標に使えるとしています。

(2025年10月21日 日本経済新聞 筑波大学HPよりプレスリリース)
(吉村 やすのり)