老化抑制の機序の発見

老化の抑制に重要な役割を果たすニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)という物質を見つけ出しました。この物質は、野菜などに含まれ、摂取すると体内でNADと呼ばれる物質に変わります。NADは加齢とともに減少し、様々な病気と関連することが知られています。NMNを飲み水に混ぜて与えたマウスは、通常に比べて中年太りによる体重の増加が約1割少なく、加齢に伴うエネルギー代謝の低下などが抑えられます。またNMNを与えると、血糖値を下げるインスリンの効き方の悪化や、骨密度の低下といった老化現象も抑えられます。



米ワシントン大の今井真一郎教授(老化学)らは、今回特殊なたんぱく質にNMNを細胞に取り込む働きがあることを発見しました。NMNを摂取することに加えて、このたんぱく質の働きを高めることができれば、加齢に伴う様々な現象を抑えられる可能性があると考えられます。

 

(2019年1月8日 朝日新聞 Nature Metabolism | VOL 1 | JANUARY 2019 | 8–9 )
(吉村 やすのり)

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