老衰とは、全身の機能が老化によって衰弱した状態をいいます。死因として老衰が定義されるためには、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合にのみ用いられます。老衰から誤嚥性肺炎など別の病気を併発して亡くなった場合は、医師が老衰が直接の死因かどうか医学的な因果関係に従って判断します。年齢の規定はありませんが、75歳未満で判断することは少なくなっています。
厚生労働省の人口動態統計によれば、2016年に亡くなった約130万8千人の死因別では、がんが約37万3千人28.5%で最も多くなっています。次いで心疾患の約19万8千人15.1%、肺炎の約11万9千人9.1%、脳血管疾患の約10万9千人8.4%の順です。老衰は約9万3千人7.1%で5番目の死因となっています。
(2017年12月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)