企業の競争力を高めるには、女性や外国人などの多様な人材を生かすことが欠かせません。そのためには、個人の勤務時間など働き方を見直す必要もあります。女性が子育てをしていながら働き続けることができる職場は、誰にとっても働きやすいものです。すべての人が実力を発揮できる環境をつくることができる企業が、これからも成長を続けていくことができます。グローバル企業との競争が激しくなる中、日本企業もダイバーシティ(人材の多様性)に力を入れています。国籍や性別、年齢などにこだわらず、多様な価値観を持つ人材を生かし、企業の競争力につなげようという考え方です。日本能率協会グループの調査によれば、規模の大きな企業ほど人材の多様化が進んでいる実態がわかります。5千人以上の企業の場合、同じ職場に外国人がいる人は30.8%、女性管理職がいる人は37.6%、シニア人材がいる人は40.2%、障がい者がいる人は24.8%でした。
この多様性が与える職場への影響については、仕事のアイディアの幅が広がり、相手の価値観を尊重し、助け合いの風土が生まれます。ダイバーシティでは、従業員の属性が注目されがちですが、実際には人は誰でも違った個性や価値観を持っています。異なる着眼点やライフスタイルを持つ人たちの能力を十分に生かせるような職場環境を実現することが大切です。ダイバーシティの実現により、企業の生産性も高まり組織運営もうまくいくようになると思います。
(2016年3月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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