肝臓がんの予防

肝炎は、B型とC型のウイルスが引き起こすことが多く、2つのウイルスの感染者は、国内で300万人以上いるとみられています。感染者の血液や体液を通じて感染し、具体的には輸血のほか、注射器の使いまわし、入れ墨やピアスの穴開けに使う器具などが原因となります。B型では母子感染や性交渉による感染もあります。慢性肝炎の場合は、自覚症状がないことも多く、精密検査を受受診していない人が50万人以上いると推測されています。しかし、放置し続けると、肝硬変や肝臓がんにいたる恐れがあります。国立国際研究センターによると、肝臓がんの8割が肝炎ウイルスが原因で、早期治療が重要となっています。



企業など職場の健康診断で肝炎のウイルス検査を受けて陽性と判明した人について、初回分の精密検査費用の助成を2019年度にも始めます。厚生労働省は、2016年に改正した肝炎対策推進の基本方針では、肝炎から肝硬変・肝臓がんへ移行する人の減少を掲げています。B型肝炎ワクチンを定期接種化したほか、2017年度からは民間企業の健康診断でもウイルス検査を導入するよう呼び掛けるなど対策を強化しています。

(2018年11月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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