肥満によっておこる病気

 肥満は、心筋梗塞や糖尿病など様々な病気のリスクを高めます。肥満細胞は善玉ホルモンであるアディポネクチンを分泌し、傷ついた血管壁を修復するなどの重要な役割を果たしています。しかし内臓脂肪が増えると、このホルモンの分泌が減少してしまいます。それにより、血圧上昇が起こります。また肥満は、糖尿病発症のリスク因子です。
 近年注目を集めているのが、肥満によるがんのリスク増大です。BMIが上昇すると乳がんの罹患率が上がります。閉経した女性の乳がんの罹患率は、BMI30以上の場合、23以上25未満の1.34倍に増加します。乳がんの発症や進行には女性ホルモン、エストロゲンの過剰分泌が深く関わっています。閉経後の女性は脂肪細胞がエストロゲンの分泌を促すため、肥満だとリスクが高まると考えられています。男性では大腸がんの罹患率が上がるという研究もあります。

(2015年10月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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