肥満傾向児の増加

文部科学省の2020年度の学校保健統計調査の結果によれば、肥満傾向があるとされた児童の割合が、高校1年を除く全学年で上昇しています。新型コロナウイルスによる巣ごもりが悪影響を及ぼした可能性があります。国は、2020年春、全国の小中高校などに一斉休校を要請しました。休校が終わった後も部活動の制限が相次ぎ、自宅で過ごす時間が増えました。肥満率の悪化の背景には、新型コロナの感染拡大に伴う子どもたちの運動不足があるとみられます。
調査では、全国の国公私立の幼稚園と小中高校に通う児童・生徒約69万人を対象に、身長と体重などを調べています。標準体重を20%以上上回る肥満傾向児の割合は、高1を除く全ての学年で前年度から増加しています。特に増加幅が大きかったのは小学5年の男児で、前年度から3.6ポイント増え、14.2%に達しています。他の学年でも割合の増加は顕著で、幼稚園児と小1~6、中学2年では、比較可能なデータが残る2006年度以降過去最多を記録しています。
スポーツ庁が高校生に部活動の頻度を聞いたところ、週3日以上と回答した割合は、感染拡大後では54.2%で、拡大前の78.2%から大きく下がっています。実施なしも13.4%に上っています。

(2021年7月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。