脱時間給制度

 脱時間給制度とは、高い専門的知識を必要とする職種に限り、労働基準法の規定を適用しない働き方を認める制度です。同法では労働時間や休日・休憩の取得、残業した時の割増賃金などが定められていますが、こうしたルールは適用されません。通常の労働者と異なり、働いた時間ではなく、仕事の成果に対して賃金が支払われます。忙しい時期に集中的に働くなどメリハリのある効率的な働き方ができる一方、成果を求めるあまり、長時間労働につながるとの懸念もあります。
 脱時間給制度は、もともと経済界が企業の競争力強化に資するとして要望してきた制度です。働いた時間の長さが給料に反映される賃金体系では、残業代欲しさにダラダラと職場に居残る社員もいます。欧米に比べ日本の労働時間が長く、生産性が低い一因ともされてきました。脱時間給制度では、働く時間は労働者に任され、より自由度が高く、柔軟な勤務が可能になります。

(2017年7月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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