脳死移植体制の強化

 日本の臓器提供件数は、人口100万人当たり1.05人と先進国でも低水準で、これまで臓器提供施設の支援に重点が置かれてきました。しかし、体制が整っていないことを理由に、移植施設が提供された臓器の受け入れを断念している実態が明らかとなっています。2024年に130人の脳死者から提供された臓器に対し、院内体制を理由に移植を見送られた患者が延べ662人もいました。

 臓器移植では、移植を行う施設の外科医が、脳死者が入院する施設に赴いて臓器を摘出し、自らの施設に運んでいます。厚生労働省は、臓器の摘出と運搬を、移植施設が連携する他施設の外科医が担えるよう体制を整えた場合、必要な費用を補助するとしています。また、移植手術前後の患者の体調管理について外科医から内科医中心の体制への移行も支援します。いずれも移植を行う外科医の負担を軽減する狙いがあります。

 移植施設への補助は、臓器提供施設への支援と合わせて、2026年度予算の概算要求に5.1億円を計上しています。

(2025年9月5日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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