東海大学病院は、腰痛患者の傷んだ椎間板に、他人の椎間板から採取した幹細胞を移植する臨床試験を始めようとしています。対象は、椎間板変性症の腰痛患者(18~75歳)です。この病気は、脊椎の骨と骨との間でクッションのような役割を果たす椎間板が、加齢や怪我で傷むことで起こります。根本的な治療法はなく、椎間板ヘルニアなど様々な腰痛の原因となり、国の医療費は年間1,700億円超に上っています。
米企業が開発中の幹細胞を使った細胞治療製品を、患者計30人の傷んだ椎間板に注入し、安全性や有効性を評価します。製品は、交通事故などで亡くなった人の椎間板から採取した幹細胞を培養したものです。動物実験では、免疫抑制剤を使わなくても傷んだ椎間板が修復されたとしています。移植した幹細胞が椎間板を作る細胞に変化したと考えられます。
(2019年4月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)