腸内細菌は年齢と共に大きく変化します。無菌状態の胎内で育った赤ちゃんは、産道を通過する時にその周辺にいる細菌を飲み込みます。そして体外の生活になり、主に大腸菌が体内に入り込みます。それが生後初めての腸内細菌として増殖していきます。母乳やミルクを飲み始めると、善玉菌の代表のビフィズス菌が圧倒的に優勢となります。離乳期を境に日和見菌も入ってきて、腸内細菌の構成は変化していきます。
一般的に、安定した状態は成年期まで続きます。しかし、60歳を過ぎた頃からビフィズス菌が急激に減少、反対にウェルシュ菌などの悪玉菌が大幅に増加し、腸内環境は悪化してくることになります。悪玉菌は高脂肪・高たんぱくの食事を好みます。欧米化した肉の多い脂っこい食事を続け、不規則な生活で運動不足だったりすると、腸年齢の高年齢化が進んでしまいます。長寿村では、善玉菌のビフィズス菌が多いこともわかっています。
(2015年12月13日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)