明治大学発スタートアップは、動物の臓器をヒトに移植する異種移植向けのブタを飼育する施設を大阪府に建設します。2026年に着工し、2027年後半の稼働を目指しています。AIなどを使って衛生面に配慮し、年間約100頭を育てるとしています。国内での異種移植の臨床試験に向け、生産体制を整えます。
異種移植は、臓器提供者の不足によって移植手術を受けられない患者に対し、臓器の大きさがヒトに近いブタの臓器を移植する技術です。米国など海外では、ドナー不足解消に向けてブタをドナーとして活用し、心臓や腎臓などをヒトに移植する研究が始まっています。
移植用のブタの生産で実績がある米バイオ企業のイージェネシスと協力します。ヒトの免疫に攻撃されにくいよう遺伝子を改変したブタの細胞の提供を受け、クローンブタをつくります。新施設で母ブタに出産させ、ドナーブタとなる子ブタを育てます。まずは臨床試験向けにブタを生産します。ブタが一定の大きさに育った段階で、臨床試験を実施する医療機関の近くに子ブタを運び、目的の臓器を取り出すことになります。

(2025年10月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





