自殺者の増加

警察庁と厚生労働省の調査によれば、2020年の自殺者数は、前年比750人増(3.7%増)の2万919人でした。これまで10年連続で減少していましたが、リーマン・ショック直後の2009年以来11年ぶりに増加に転じました。女性や若年層の増加が目立ち、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や生活環境の変化が影響した恐れがあります。
全体のうち男性は、1万3,943人(前年比135人減)と11年連続減となったのに対し、女性は6,976人(前年比885人増)と2年ぶりに増加しています。人口10万人当たりの自殺者数は、前年から0.8人増の16.6人でした。
年代別では40代が3,225人(前年比71人増)と最も多く、中高年層の割合が高くなっています。増減率では20代(2,287人)が17%増と最も高率でした。19歳以下の未成年は14%増の707人でした。月ベースで増加に転じた下半期の傾向を見ると、経済問題が要因とみられる自殺が目立っています。コロナ感染による死亡が問題視されていますが、経済的理由による自殺も大きな問題です。

(2021年1月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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