政府は、市区町村が実施するがん検診で、AIを解析に活用することを認める検討に入っています。X線検査の画像をAIが解析することで医師の業務負担を軽減します。地方の医師不足に対応しながら、がん検診の精度を高めます。
自治体が実施する肺がんや乳がん、胃がんの検診は指針で原則2人以上の医師による読影が必要と定めています。AIを活用して医師が1人で読影できるように指針を改定する案が有力です。医師が異常なしと判断しても、AIが病変を疑い検知した場合は、医師1人とAIが異常なしと判断すれば、2人目の医師の読影を省略します。
AI診断が認められれば、医師不足の緩和や診断精度の向上につながる可能性があります。X線画像などを診断する専門医は慢性的に不足しており、医師が1日に数十件の読影を担当することもあります。

(2025年7月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)