自治体における男女賃金格差

読売新聞の集計によれば、都道府県や政令市など主要121自治体の多くで、女性職員の平均賃金が男性の8割に満たないことが明らかになりました。女性職員に占める非正規雇用職員の多さと幹部登用の少なさが主な原因です。
女性の多くは、非正規雇用である会計年度任用職員として働いています。会計年度任用職員は、地方公務員特有の職種です。総務省の調査によれば、地方公務員の2割弱の約62万人を占め、その8割弱が女性です。この職種は民間のパートタイムやアルバイトに比べ、休暇制度や福利厚生が充実しています。家庭などを優先したい人には利点がありますが、昇給は見込めません。
賃金格差については、中央省庁の内局・外局含め国の34機関にも、公表義務が課せられています。民間では、社員が有期契約を更新して通算5年を超えると、労働契約法に基づき、無期雇用契約を申し込めますが、地方公務員は適用外です。都道府県や市区町村は、国と共に女性活躍の旗振り役とされ、改善への取り組みが必要となります。

(2024年3月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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