自衛官の新規採用の減少

自衛官の候補生は3,988人で、計画比43%でした。比較可能な2009年度以降で最低だった2018年度の72%を下回っています。下級幹部の候補になる任期のない一般曹候補生は、計画比88%の6,132人で、2013年ぶりに9割未満になっています。
2023年版の防衛白書は、新規採用が減少傾向にある自衛官の確保策について、民間の人材を活用すると明記しています。専門的な知識・技能を保有する人材を取り込むため、柔軟な働き方を可能とする新たな人事制度を検討するとしています。同時に給与の待遇改善を図るとしています。希望の大学生への奨学金制度は、いまは理系に限るとしていますが、文系にも対象の拡大を計画しています。
人手不足の企業が採用増や賃上げに動いた影響があります。ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍事動向が、自衛隊の志望者の心理に作用した可能性も指摘されています。ハラスメントや規律維持への対応も問われています。元自衛官が性被害を訴えた問題や、自衛官候補生の銃発射事件などの再発防止が不可欠です。

(2023年10月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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